2009年8月24日月曜日

高輪4丁目集合住宅/IL SASSO/竣工2008.5.30














■敷地所在地:東京都品川区高輪4丁目24番地
■発 注 者:市村 洋子、和子
■設計・監理:一級建築士事務所 NOVA建築計画研究所
      :管理建築士 野崎英彦
■設計 担当:小木曽 靖
■構造 設計:一級建築士事務所 星野建築構造事務所
■構造担当者 :中嶋 宏佳
■設備 設計:藤本康和
■施   工:株式会社 大明建設
■設計 期間:2007年(平成19年)3月〜9月
■確認申請受領:2007年9月
■工事 期間:2007年10月〜2008年5月
■都市計画法:準防 火地域、第1種中高層住居専用地域、
: 第2種高度地区、 容積率/200%、建ぺい率/60%
■工事 概要:敷地面積/112.10m2、既存建物解体工事後新築
: 壁式鉄筋コンクリート造4階建、直接基礎
: 建築面積/52.56m2、述べ床面積/184.47m2、共用廊下面積
/8.01m2 、 建築物の高さ/11.3m、階数/地上4階建

■設計メモ
この建物のオーナーはイタリアに在住している姉妹である。この場所は彼女らが生まれ育った土地であり、そこに両親と共に生活した3階建の鉄筋コンクリート造の住宅があった。内部には純和風の数寄屋づくりの和室もあり、解体するには惜しいほどの造作であった。高輪という土地は江戸時代には現在の国道1号線あたりまで海岸がせまっていた。海岸から高台の陸地が形成されている姿は現在では想像し難いが、ここから江戸城までの海岸線は神田の高台あたりまで繋がっていた。海岸線から海上を東にみれば浅瀬の中に前島という陸地が見えたはずである。現在では日本橋、京橋、銀座、新橋辺りまでが江戸城構築の過程で埋め立てられた地域なのである。前島と江戸城との間を埋め立てて生まれたのが虎ノ門、日比谷、丸の内地帯である。現在の高輪は品川駅から国道1号線に沿って南に戻っていくと西側の高台に向かって幾つかの坂で繋がれている。品川プリンスホテルもその途中にあり、坂を登って奥まった所には高輪プリンスホテルがそびえている。このあたりは江戸時代は大名の下屋敷があったために、明治以降は財閥に買い取られた為に、戦後も広大な敷地のままにホテルや迎賓館、学校に利用されて江戸の面影を残してきたともいえる。しかし現在では大半の敷地は細分化されて住宅地となり、狭い道路のために3〜4階までの建物が連なっている。それが却って静かな住宅地として落ち着いた雰囲気を保っている。高輪4丁目に建つこの建物は賃貸用の世帯住宅2戸と単身用住宅4戸からなる小さな4階建の共同住宅である。3階4階のベランダに出ると敷地に接している高級高層マンション、ペアシティルネッサンスと共に、品川駅東側に開発された高層オフィスビル群を見渡すことができる。
イタリアから戻られたお二人に建物を引き渡した折りには幸いにも大変気に入られた感想を頂き、胸をなで下ろして苦労のしがいがあったと感じたことを思い出す。

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