10月16日(土)に目白駅から10分程の住宅街の中に位置する嘗ての建築家吉村順三建築事務所にて開催されている「吉村順三記念ギャラリー」をNDHのグループと共に訪問した。建築家吉村順三が亡き後は貸事務所と記念ギャラリーとなっている。今回は「井の頭の家」を1階にて展示していた。2階、3階は嘗ての製図室と所長室であったが、現在は貸事務室となっている。旧所員らしき人に案内されて見学させて頂いた。ギャラリーにおいても老齢の旧所員の方から丁寧な説明と嘗ての先生の思い出等を聞くことができた。建築家吉村順三を慕って事務所に集まった多くの有能な弟子,所員が生まれた設計事務所も稀である。多くの旧所員は独立して設計事務所を開設している。創設者の名前を継承して組織事務所として企業化していくことが多い日本の設計業界の中では大変希有な在り方である。「吉村順三記念ギャラリー」が独立建築家を目指す建築家達の燈台の役割を果たして頂けることを願っています。
■吉村順三の略歴
・1908年(明治41年)東京本所の呉服屋にて生まれる。
・1931年 (昭和6年、23歳)東京美術学校卒業、アントニン・レーモンド事務所に入所。
・1940年(昭和40年、32歳)アントニン・レーモンドの帰国後、渡米。
・1941年 (昭和16年、33歳)帰国。渡米中に出会ったバイオリニスト多嘉子さんと結婚。
12月8日、建築設計事務所開設。
・1945年(昭和20年、37歳)東京美術学校助教授就任。
・1956年(昭和31年、48歳)日本建築学会賞受賞(国際文化会館の共同設計)
・1960年(昭和35年、52歳)皇居新宮殿設計者に選定される。
・1962年(昭和37年、54歳)東京芸術大学建築科教授就任。
・1970年(昭和45年、62歳)東京芸術大学建築科名誉教授。
・1972年(昭和47年、64歳)デザイン優秀賞受賞(ニューヨーク・ジャパンハウス)
・1975年(昭和50年、67歳)日本芸術院賞受賞。
・1982年(昭和57年、74歳)勲三等旭日賞受賞。
・1985年(昭和60年、77歳)毎日芸術賞受賞(八ヶ岳高原音楽堂)
・1994年(平成 6年、86歳)文化功労者顕彰。
・1997年(平成 9年、89歳)逝去。勲二等瑞宝章授章。
■「井の頭の家」の増築後の平面図と建築概要。
■「井の頭の家」の夕暮れの外観。
■「井の頭の家」の新築時の模型と増築時の模型。
■旧事務所の2階部分のデスク単位賃貸風景。
■旧事務所の3階部分のデスク単付き室の賃貸風景。
■多嘉子夫人の経営する音楽教室内の3階小ホール。
■軽井沢の小さな別荘。■吉村順三の絵はがき。
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